主にザ・シンフォニーホールでのクラシックコンサートの鑑賞記録を書きます。いずみホールやアプラホール、兵庫県立芸術文化センターも守備範囲としていく予定です。 番外編として、大阪在住なのに、なぜかドラゴンズを応援してるじんくすの戯れ言を綴っていきます。
2011年3月21日月曜日
PAC定期 第41回
2011年3月20日(日) 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
兵庫県立芸術文化センター管弦楽団 第41回定期演奏会
岩村力指揮 兵庫芸術文化センター管弦楽団
太鼓/林英哲
岩村力さんのプレトーク
伊福部昭/SF交響ファンタジー第1番
山下洋輔/プレイゾーン組曲 ◇
~~~休憩~~~
武満徹/鳥は星型の庭に降りる
松下功/和太鼓協奏曲「飛天遊」 ◇
(◇太鼓:林英哲)
アンコール
民謡「太鼓打つ子ら」
今日のプログラムの注目点は、和太鼓のスーパースター林英哲さんの演奏と、日本人作曲家の作品だ。
開演直前に、岩村さんのプレトークがあり、演目の1曲目の伊福部昭さんの作品についての補足説明がなされた。今日の伊福部昭さんの曲は、怪獣映画の古典『ゴジラ』の映画音楽を演奏会向けに再構成したものだ。この地震と津波と原発事故で、多数の被災者が苦しんでいる時期に、破壊王ゴジラのテーマや、それに続く重苦しい音楽を公開していいものか、といった葛藤が演奏者側にもあったことにも触れながら、それでも伊福部作品の原点は原爆反対の人間愛であるということをふまえ、演奏家として真摯に演奏するので、しっかり受け止めてほしいとのことであった。
前半の2曲目は、フリージャズのヒジ打ち演奏の方が有名な山下洋輔さんの作品だ。ここで林英哲さん登場。ジャズのアドリブを連想させるような、オケと太鼓の掛け合いなどもあって、楽しい作品だ。この作品の、オーケストラ版の演奏は本邦初演だそうだ。もっとも日曜公演なので、実際の初演は金曜の公演ってことになるんだろうけど。
休憩をはさんで後半の1曲目は、日本を代表する世界のタケミツ、武満徹さんの作品だ。現代音楽は、ロマン派の作品に比べて、圧倒的に曲の終わりがわかりにくい。指揮者が拍手し始めて、終曲を確信して拍手を始めたのは聴衆みんなの秘密である。
2曲目は、松下功さんの飛天遊だ。和太鼓がオケと対等にセッションしてる(@_@)。確かに和太鼓協奏曲だ。今日は、和太鼓と西洋音楽の融合という、新鮮な音楽体験ができた。
アンコール曲と林英哲さんが作詩した唄つきの曲を、英哲さん自身で唄って演奏してくれた。この和太鼓のスーパースターは、ただもんじゃない。聴衆をぐいぐい引き込んでいくすごいパワーとオーラがみなぎっている。おそらく、ほとんどの聴衆が、新鮮で幸福な時間をすごすことができたと感じたことだろう。