ミハイル・プレトニョフ指揮 ロシア・ナショナル管弦楽団
ヴァイオリン 川久保賜紀
演目
リムスキー=コルサコフ:歌劇「雪娘」組曲
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
川久保賜紀さん、ソロアンコール
バッハ:パルティータ3番ホ長調BWV1006より’ブーレ’
休憩
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
ロシア・ナショナル管弦楽団はソ連崩壊後に、団員公募や支援企業を募集して設立されたという、ロシアのオケの中では、とてもユニークな設立の経緯を持っています。
ロシア初の民間オーケストラの団員募集の競争率は30倍。その狭き門を抜けてきた名手揃いのオケです。
プレトニョフさんの指揮は、最近流行りのスコア遵守よりも、自己解釈による自由な表現で、テンポも自身の解釈により変動させるという、一歩間違えばグチャグチャになりそうな演奏スタイルですが、天性の才能が完全にオケを掌握してるので、全く危なげなく、素晴らしい完成形を聴衆に示してくれます。
2曲目のヴァイオリン独奏の川久保賜紀さんは、チャイコフスキー国際コンクール最高位受賞の肩書どおりの素晴らしい響きを聴かせてくれました。濃ピンク(だと思う)のステージ衣装が、楽団員の黒の衣装の中でとても引き立って見えました。それに、すごい美人ですぉぃ、なんちゅう評価基準や(^^ゞ
ヴァイオリン協奏曲といえば、メンデルスゾーンを好みにしてたから、オイストラフのLPなんかでも、チャイコの面はほとんど新品だったりしたのですが、最近では、チャイコのヴァイ・コンも好みになってきました。
休憩後の「悲愴」も、安定したいい音を響かせてくれました。噂どおり、このオケは上手い。
悲愴の第四楽章は消え入るように終わるので、フライング拍手が気になったりすることもあるのですが、今回は許容範囲内の拍手開始でした。
この演目、この演奏技術、一級品なのは間違いないのですが、なぜか空席がそこそこ見えました。S席12000円は微妙な値付けなのかなぁ。